今年読んだ漫画についてダラダラレビューする。 その1

突然ですが、私は漫画が大好きです。

漫画、フィクションが好きです。人間にこんな物語が作り出せるんだ、というところに感動を覚えます。漫画の可能性は無限です。もう30年近く漫画というコンテンツを追って生きてきているけどいまだに感動があるしその感動が終わる気配もない。そんなコンテンツが簡単に楽しめる時代。素晴らしいです。

初めて読んだ漫画は小学生の時に通っていた耳鼻科にあったドラゴンボールでした。生まれつき鼻が悪く家から車で1時間以上かかる耳鼻科に毎週通っていました。乗り物にも酔いやすかった私にとって本当にこの週一のイベントは苦痛以外のなにものでもなかったわけなんですが、そんな中で初めて手に取ったドラゴンボール、まあ、なんて面白いものがこの世にはあるんだって思いましたね。当時は。

それから古本屋に通ってドラゴンボールを全巻集めました。貧乏だったのでとても新品では買えなかった。ただ、連載中に集め始めたので当時の最新刊、30巻後半ぐらいからかなあ、お年玉含むなけなしのお小遣いで買った記憶があります。

今の世の中、面白い漫画がたくさんあるのでそこと比較しちゃうとドラゴンボールは霞んでしまうけど、それでも漫画との劇的な出会いを果たしてくれたドラゴンボール、もとい鳥山明先生には感謝していますし、今の少年漫画界における礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。

今ではタブレットで読みたい漫画を読みたい時に読むと言う生活をしています。それこそ、実家に行けばデスノートヒカルの碁スラムダンク、リアル、よつばとバガボンドといった単行本が揃っていますが、単行本はどうしてもスペースを取る。そして劣化する。そんな悩みをいっぺんに解決してくれたタブレット、もといKindleは本当に素晴らしい発明だと思っています。

 

さて、本題のレビューです。なるべくネタバレしないように、5段階で勝手に評価していきます。私が今年読んだ漫画で、今年発売とは限りませんのでご了承ください。

 

チェンソーマン

https://m.media-amazon.com/images/I/51cSgpPQAPL._SY346_.jpg

評価:★★★★★

私が今一番ハマっている漫画。最近ことあるごとにチェンソーマンという単語を連呼していて周りの人たちに疎まれてそうですが本当にハマっています。まず設定がぶっ飛びすぎ。「悪魔」という脅威が蔓延る世の中でその悪魔を退治する「デビルハンター」として父の借金を返すためヤクザから仕事を受注する主人公・デンジ、その仕事の途中でチェンソーの悪魔として転生し、警視庁公安のマキマさんに拾われて公安の悪魔退治のチームの一員となる。一応、人間と悪魔の対立という少年漫画によくありそうな設定ではあるんだけど勧善懲悪とは程遠い内容となっていて、何が善くて何が悪なのか今まで読んでいても分からない。そして一番ヤバイ銃の悪魔って何者!?等、読み続けていても分からないことだらけであり、今後解明されていくのかも不明。マクガフィンの応酬です。ただ、登場するキャラクターが本当に魅力的で中毒性の強い漫画であることは間違いない。例えるなら小学生男子の頭の中をそのまま漫画にしましたという感じ。誰もがこういう妄想を経験しているはず。今後の展開にも目が離せない。

ファイアパンチ

https://m.media-amazon.com/images/I/51m5nzCQrBL.jpg

評価:★★★★☆

上で紹介したチェンソーマンの藤本タツキ先生の前作です。恥ずかしながら私はチェンソーマンで先生を知ったので読んだのは本当に最近なのですが、もう、なんというかチェンソーマンよりも遥かにダークな世界観で救いがない。そして結構グロい。チェンソーマンのように悪魔こそ出てこないものの、「祝福」という特殊能力がキーワードとなって最後まで付いて回ってきます。祝福には電気を起こしたり消えない炎を出したり鉄を操ったりとにかく様々あるのですが、万能かというと決してそんなことはなく、その祝福をめぐって最終的に「なぜ生きるのか」というテーマに迫っていきます。ここからは私の想像ですが藤本先生は「映画」が大好きなのではないかと、そしてその映画の感じを漫画で出そうとしているのではないかと思っています。チェンソーマンにも通じるところがあります。独特なコマ割り、必要最小限のセリフ。人によっては説明不足だと感じられる人もいるかもしれませんが読んだ上で自分でいろいろ考えを巡らせたい人にはとてもオススメです。チェンソーマンが刺さった人には刺さると思います。

鬼滅の刃

[吾峠呼世晴]の鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

評価:★★★★☆

言わずと知れたモンスターマンガ。もはや説明は不要でしょう。この漫画は社会現象となり映画の興行収入は日本1位に迫る勢い。読んだことない人に対して「まだ読んでないのぉ??」とマウントを取る行為”キメハラ”なんていうワードを生み出したのも記憶に新しいです。肝心の内容はというと鬼に家族を殺されてその復讐をするという凡庸な感じのバトル漫画なのですが、全23巻のうち特に前半は画力の問題なのかバトルシーンで何が行われているのか全くわからず読むのが苦痛でした。その辺はだんだん良くなっていった(アニメでの答えあわせ感が凄かった。相当優秀なアニメーターを起用したのでしょう)。賛否両論のラストですが、私は大体なんでも面白いと思うので普通に面白かった、というかもうこんなきつい状況から年端もいかないキャラクターたちを開放して欲しかったというのが正直なところで、フィクションなのに安堵しました。完全に親目線です。別に感動はしませんでした。この漫画がここまで流行った1つの要因として、個性的で魅力的なキャラクターを上手く描いていたというのは大きかったと思います。確かにストーリーは下手で凡庸なんだけど、こういう漫画が世間を席巻するのは悪いことではないと思う。

怪獣8号

[松本直也]の怪獣8号 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

評価:★★★★☆

ジャンプ+の話題作。怪獣を倒す部隊に入るのを目指す主人公とすでにその部隊の中でエリートとして活躍中の幼なじみの女の子の話。設定自体は結構ベタなのに引き込まれる画力と物語のヒキがかなり上手くて、まだ1巻なのにかなり面白い。まだかなり余白を残した状態なのでどんな方向にも展開できるところがお上手としか言いようがない。キャラクターもみんな魅力的で、今のところやなやつが1人もいない。今後それぞれどんな方向にいくのか楽しみ。余談だけど主人公の歳が近くてその辺の感じもリアルで良かった。

アンデッドアンラック

[戸塚慶文]のアンデッドアンラック 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

評価:★★★★★

こりゃまたすごい漫画が出てきましたねという感じです…これだからジャンプはやめられない。「否定者」という特定の物事を否定する特殊能力を持ってしまったキャラたちが織りなす物語。私はこのプロットで幽遊白書の仙水編の入りのところを思い出したりしたわけですが、少年漫画の可能性は本当に無限です。よくもまあこんなこと思いつくなあと。物語序盤は結構コメディタッチで進んでいくのかと思いきや、いきなりシリアスな展開かつ脳トレRPGでいうところの攻略法を自力で見つけていくような感じ、そしてしっかり読み込まなければついて行けないレベルの情報量で、だからこそ既刊4巻ですでに終盤なのかと錯覚してしまうような展開。しかしながらまだまだ余白は残してあって今後更に如何様にも展開していける状態になっているので、怪獣8号同様今後の展開から目が離せない作品の一つ。

推しの子

[赤坂アカ, 横槍メンゴ]の【推しの子】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

評価:★★☆☆☆

偉く評判が良いので、横槍先生の絵が好きな私としては見過ごせず読んでみたのですがちょっと微妙でした。というのも1巻で完結しているのでは?と思ってしまったし、続いているのがよくわからない。推しのアイドルの子どもに転生するっていうトンデモ展開なんだけど、それ自体は別に漫画だからありだとしても一卵性双生児で男女の双子が生まれるということはあり得ないのでは?と思ったら、非常に稀だけどあるみたいですね…まあ漫画だから良いのか。アイドルというものに興味がないせいかあまり没入できずに読み終わってしまった印象。

ちはやふる

https://m.media-amazon.com/images/I/51dVuHbsYRL.jpg

評価:★★★★☆

百人一首を題材にした少女漫画です。一見少女漫画にありがちな三角関係、1人の女の子を、幼馴染と他所からきたかるたを教えてくれた男の子2人で取り合うという構図なのですが、ここにかるたという要素が入ってくるもんだからなかなかどうして物語は複雑になっていく。何かに打ち込むことの大切さと挫折、挫折からの復活、成長、人間関係、友達から異性になっていく瞬間、などなど…現在40巻越えでクライマックスですが1人1人のキャラクターに付いての掘り下げが想像以上に深くて読み応えがあるのでオススメです。30巻台だったかな?ちょっとだれてしまった部分があったのでマイナス1ですが全体的に非常に面白いです。

 

ハピネス

https://m.media-amazon.com/images/I/51fUJ43JhQL.jpg

評価:★★★☆☆

私が大好きな押見修造先生の作品です。押見先生の作風として、思春期のモラトリアムを題材にすることが多いのですが、このハピネスに至っては画像からも分かるとおり吸血鬼がそこに混じります。結構ファンタジーです。私が馬鹿なだけなのかもしれませんがいまいちメッセージが読み取れなかったのでこの評価です。押見先生の真骨頂は心理描写のドロドロとした部分をいくつもの線を駆使して巧みに描くところだと思っていますが、ハピネスに関してはそこに吸血鬼を絡めてしまったので人間との違いという話が入ってきてよく分からなくなってしまった。ただ相変わらず押見先生の描く女の子は可愛いので読む価値あり。

 

ゆうべはお楽しみでしたね

https://m.media-amazon.com/images/I/51-iAW1UZrL._SY346_.jpg

評価:★★★☆☆

ドラクエ好きの人ならピンとくると思いますが、宿屋の主人に言われるセリフですね。そんなのタイトルに持ってくるなんていいセンスしてるじゃんと思って、特に前情報もなしにポチりました。内容はドラクエ10で出会ったギャルとオタクの2人のラブコメです。ネトゲをやる人なら誰しもが妄想する展開の漫画です。一応言っておくとエロはありません。普通に面白いんですがドラクエ10のことがよく分からなかったのと途中からちょっとだれてしまうのでこの評価です。普通に面白い。ラブコメ好きやドラクエ10にハマった人にはいいかも。

 

 

 

 

 

その2に続く。