長女が1型糖尿病になりました。

2019年12月23日、4歳の長女が1型糖尿病と診断されました。俺にとって忘れられない日となりました。

あまりに突然のことで訳が分からず、今に至ってます。が、最近ようやく落ち着いてきました。

 

先に1型糖尿病について説明しておくと、そもそも糖尿病には1型と2型があります。かくいう俺も長女がかかるまで知りませんでした。

世間一般に認知されているいわゆる生活習慣病である糖尿病は2型です。不摂生とか生活習慣により、インスリンが分泌されにくくなる病気です。

逆に1型はウイルス感染による免疫疾患でインスリンが生成できなくなる病気です。そのため、なおせません。2型は生活習慣の改善でインスリンの流れをよくしたりできますが、1型は全くもってそうはいきません。そのためインスリンの自己注射が不可欠となります。そして発症率ですが、10万人に1人です。とんでもない確率です…

これ、1型と2型、混同しちゃう人がまあ多いです。説明してもわかってもらえない。仕方がないのかもしれないけどこれを読んでくれている人にはわかってほしいと思って書いてます。

 

もっと詳しく知りたい方はこちら

https://japan-iddm.net/what-iddm-is/

 

 

 

変だな、と思ったきっかけは、食が細かった長女が急にすごい量を食べるようになったこと、そしてたくさんお茶を飲むようになったことでした。たくさんお茶を飲むのでおねしょするようになりました。それまで全然しなかったのに。

でも、正直に言って食事に関しては俺も奥さんも「ようやくご飯の美味しさに気づいてくれたのか!」と喜んですらいました。遅れてきた成長期かと。

そんなある日たまたま祖父母の家に預けた時に祖父に言われたのです「ちょっと水飲みすぎだ。おかしいぞ」と。

ただ、まだこの時点でも俺はピンときていなかったのですが、看護師である奥さんは青い顔で体重の推移を確認して、ここ数週間で緩やかに減っていることを確認しました。

これが22日。この日も長女は俺が作った油淋鶏をたくさん食べていました。

 

 

23日、あまり眠れずに朝を迎え、長女の体重を測ってみると、あんなに前日に油淋鶏をたくさん食べていたにも関わらず、2キロも減っていたのです。1日で2キロ、信じられますか?心なしか元気も無さそうに見えました。もうこの時点で涙が止まりませんでした。「どうして泣いてるの?」と長女に何回も聞かれ、答えることができませんでした。今でもこの日のことを思い出すと泣けます。

 

急いで病院を受診して血糖を測ったらまさかの800越え。文字通り本当に目の前が真っ暗になった。

通常の人の血糖は食後でも200までいきません。

脱水症状にもなっているということで即入院となり、採血やら点滴やらで注射のオンパレード、泣き叫ぶ長女、怒るに怒れない両親、ここが地獄か…

不幸中の幸いだったのが、年末だったので年末休暇を取っていたため、休みを追加して23日からずっと休みにして長女の入院に付き添ったり、奥さんと交代して長男と次女の面倒を見たりという日々が続きました。3週間ぐらい休んだかな。入院は幸い5日ほどで済みました。入院といっても脱水は初日に改善し、他の日は食事に対しインスリンの必要量を見ていく、またインスリン注射の手技の獲得がメインでした。奥さんは看護師だし、俺自身比較的要領はいい方なので、注射の手技自体は全く問題なかったです。

ただ、やっぱり最初は、なんでうちの子なんだろうって毎回注射を打つ前に俺自身が泣いてたし、長女は長女で突然始まった注射に理解が追いついておらず相当情緒不安定になって理不尽なことでキレるようになっちゃったし(今まで全くそんなことなかったのにパズルができないとキレたり、病院食が不味いとめちゃめちゃキレてた)とっても大変だった。

でも通常なら2週間から1ヶ月ぐらいは入院するというこの入院が5日で終わったのは長女と両親の受容がスムーズに進んだことに他ならない。今思うととにかく病院にいるというネガティブな非日常から抜け出したくて退院できる方法を模索した結果だったのだと思う。

 

退院してからは極めて順調で、食前の注射は長女の方からやってーって来るし、血糖値もそれなりに正常の範囲内に収まるようになってきた。ただやはり食べるものによって急に上がったり全く上がらなかったりと落差が激しいので引き続きここはデータを取っていかなければならない。

長女が病気になって思ったのは、やらなきゃならないことは増えたけど、基本的には健常者と変わらないということ。インスリンさえ適切に打てれば普通の生活が送れる。

罹患してから2ヶ月がたった今、いろんなことがわかってきた。ジャムパン、もち、しらたま、マシュマロは血糖値が急上昇する。肉系はそうでもない。糖質ゼロのゼリーとかは文字通り全く血糖が上がらない、、、等々

血糖コントロールはかなり難しいけど結構楽しい。というのも、ちょっと前までは食前にちっちゃな針みたいなやつで指先をパッチンして血を出して血糖測定が一般的だったけど、今はリブレセンサーというものがあり、これを二の腕に装着すれば2週間、端末で血糖値を読み取ることが出来る。すなわち指パッチンが必要なくなったのです。おまけに端末にデータが記録されるし、15分毎の推移も自動的に記録してくれるので、即時にグラフで血糖値のトレンドを可視化することが出来る。現代医学の進歩を目の当たりにした。

 

それでもやっぱりふとした時、数年前の長女の写真とかを見た時に「ああ、この時は病気じゃなかったんだなあ」って思って悲しくなることはあります。乗り越えるしかない。だましだまし生きていくしかないんだなと実感してしまう。

もちろん俺や奥さんなんかよりも本人がいちばんきついのは間違いない。これからいろんな偏見に晒されることもあるだろう。突然注射が嫌になったりもするんだろうな。間違ってインスリンを多く打っちゃったりして、低血糖を引き起こしたり。もう想像もつかない。合併症のリスクだってある。定期的に眼底検査をしなければいけない。親になるということの責任の重さを痛感しているところです。

 

 

 ということで現状はここまでです。これから長女が成長するにつれいろんな困難が待ち受けているとは思いますが、都度、ベストな方法で立ち向かっていきたいと思います。またこの件についてはアップデートしていきたいと思います。